婦人科
子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣のう腫などの女性特有の疾患を 良性疾患から悪性腫瘍(癌)に至るまで、幅広く、診断から治療まで一貫して行っています。
診断方法としては、最新の超音波画像診断 <子宮・卵巣・乳腺>、迅速で正確な細胞診断 <子宮頸癌・子宮体癌> などを特に重視して実施しています。
治療方法としては、正確で安全な開腹手術、創が小さく低侵襲な腹腔鏡下手術、最新の血管内手術、女性特有な疾患に対し、特に有効な膣式手術、良性腫瘍には非侵襲的なホルモン療法、そして進行した悪性腫瘍などには抗がん剤による治療も実施しています。
子宮頚癌や子宮体癌では、診断から治療までを短期間で迅速に行い、患者さんの不安を解消できる体制を整えています。
専属の細胞診専門医・指導医、細胞検査士が子宮癌検査を実施し、精密検査になった方には専門スタッフが丁寧に説明いたします。
経験を積んだ日本乳がん検診精度管理中央機構認定臨床検査技師と女性医師による乳腺超音波検診を実施しています。
腹腔鏡下手術
当院では、患者様のお体と早期復帰に有効な腹腔鏡下手術を行っております
悪性腫瘍につきましては、開腹手術に比べ、有効性が劣ると海外で報告されたため、現在、腹腔鏡下手術は実施しておりません
腹腔鏡下手術とは?
開腹手術とは違い腹部を開腹するのではなく、腹部に小さな穴を開けてそこから腹部内部に器具を挿入し、挿入した器具で患部の剥離や切除を行う手術のことです。
開腹を行わないので、腹部の傷も目立たず、早期の退院も可能になります。
子宮癌
子宮癌には、子宮の入り口付近にできる子宮頚癌と、子宮の奥にできる子宮体癌の2種類があります
当院では検査から手術、治療まで一貫して行っています
日本以外の先進国ではHPVワクチン接種により、子宮頸癌とその前駆病変の大幅な減少が期待されていますが、我が国は、先進国で唯一、子宮頸癌の発生が増加している状態です
HPVワクチン、精度の高い検診や治療により、子宮頸癌による死亡を防ぐことが可能です
子宮頸癌
初期の子宮頸癌には殆ど自覚症状がありません。子宮頚癌には扁上皮癌・腺癌…等がありますが、ほとんどは扁平上皮癌です。HPV(ヒューマン・パピローマ・ウイルス)の感染が発癌に大きく関与しています。初期の段階では自覚症状が殆ど無いため、症状の無いうちから検査を受けることが大切です。
前癌病変
子宮頚部の扁平上皮癌は、異形成を経て癌になることが分かっています。この異形成が前癌病変です。初期の子宮頚癌と同様に、この段階での自覚症状はありません。異形成には軽度異形成、中等度異形成、高度異形成の3段階があります。全ての異形成が癌に進むのではなく、軽度異形成の一部が癌に、高度異形成からは高頻度で癌に進む可能性があります。異形成が見つかった場合は、病変が消えてしまうのか?あるいは癌の方向に進んでいくのか?を定期的に細胞診検査で確認していく必要があります。異形成がどちらの方向に向かうのかのカギを握っているのがHPV(ヒューマン・パピローマ・ウイルス)の型です。
HPV(ヒューマン パピローマ ウイルス)
HPVの感染は、子宮癌の原因となる可能性があります。
HPVとは、Human papilloma virus(ヒューマン パピローマ ウイルス)というウイルスで、イボを作るウイルスです。性交渉により誰にでも感染する可能性があるありふれたウィルスで、生涯に80%以上の方が感染すると言われています。
HPVは、現在まで約200種類以上の型が発見されており、それぞれが特有のイボを作ります。
子宮頸癌から発見されている型は、16型18型31型33型35型39型45型51型52型56型58型59型66型68型です。
16型18型は子宮頸癌の原因の約65%を占めています。
この子宮頸癌から検出される型を子宮頸癌のハイリスクタイプと呼んでいます。 多くの場合は自然に消滅しますが、HPVの感染が持続した場合には癌の前段階である異形成(前癌病変)を経て、癌に進行することがあります。感染から癌になるまでは平均数10年を要すると言われていますので、前癌状態をフォーローアップすることにより、癌になる前に治療することが可能です。
前癌病変は細胞診検査で発見することができます。しかしどのタイプのHPVに感染しているかまでは分かりませんので、細胞診検査で前癌病変が発見された場合は定期的な細胞診検査と共にHPV-DNA検査を受けられることをお勧めします。
子宮体癌
近年、子宮体癌はⅠ型とⅡ型に大別されるようになりました。
- Ⅰ型:エストロゲン(女性ホルモン)依存性
- 類内膜癌と粘液癌が代表です。内膜増殖症を背景としています。
- Ⅱ型:エストロゲン(女性ホルモン)非依存性
- 漿液性癌や明細胞癌が代表です。
閉経期に発症することが多く、萎縮内膜を背景としています。
内膜増殖症
生理的な範囲を超えて内膜腺が過剰に増殖する病態であり、Ⅰ型の類内膜癌の前駆病変と位置づけられています。
エストロゲン(女性ホルモン)の持続的な過剰状態が原因であると言われています。
不正出血を伴うことが多いので、不正出血をホルモン異常と自己判断せず検査を受けて病変の有無を確認することが大切です。
不正出血とは月経以外の出血で、止まらないほど大量に出る場合から下着に付く程度のものまで様々です。
細胞診検査
細胞診検査とは、体から細胞を採ってきて、顕微鏡下で癌細胞が有るか無いかをチェックする検査です。子宮癌の場合、前癌病変が有ることが分かっていますので細胞診検査で前癌病変から発見することができます。
細胞診検査は、日本臨床細胞学会認定の細胞診指導・専門医および細胞検査士が行います。当院では、専属の細胞診指導・専門医および細胞検査士が院内で検査を実施しています。
HPVワクチン
当院でのHPVワクチン接種のご予約について
当院での接種はシルガード9です
ご予約は
お電話・窓口で承っております
TEL 029-354-5712
webでは対応していませんのでご了承ください
子宮頸癌の原因はHPV(ヒトパピローマウイルス)と言われています。
国内において子宮頸癌で亡くなる方は、年間2,900人程度(2021年)と報告されています。
年代別の死亡率は、30代前半から年代が上がるにつれ高くなっていく傾向にあります。
なお、日本では、25~40歳の女性の癌による死亡の第2位は、子宮頸癌によるものです。1)
1)出典:国立がん研究センター がん情報サービス 人口10万対年齢階級別死亡率(子宮頚部2021年)
初期の子宮頸癌には殆ど自覚症状がありません。
子宮頸癌になると妊娠や出産に影響がでる可能性があります。
HPVワクチンは、子宮頚癌を引き起こす高リスク型HPVの感染を予防します。
検診で見つかり難い腺癌も増えてきているのでワクチンによる予防は大切です。
一方で、ワクチンでは予防出来ない高リスク型HPVもありますのでワクチンと合わせて、検診による早期発見も重要です。
子宮頸癌はワクチン接種と検診で予防しましょう。
ワクチンは一定の間隔をあけて、同じワクチンを合計2回または3回接種します。
接種するワクチンや年齢によって、接種のタイミングや回数が異なります。
どのワクチンを接種するかは、接種する医療機関に相談してください。
厚労省;HPVワクチンQ&A
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/hpv_qa.html
厚労省;HPVワクチンの接種を逃した方のための接種(キャッチアップ接種)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/hpv_catch-up-vaccination.html
接種スケジュール:
厚労省;ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/index.html
シルガード9
9価HPVワクチンです
シルガード9に含まれるHPVの型は、6型11型16型18型31型33型45型52型58型です。
アジア人に特に感染が多くみられるHPV52型58型を含むことで子宮頸癌の原因となるHPV型の90%をカバーします 。
乳腺超音波検査
子宮癌と共に乳癌も女性に多い疾患です
乳腺超音波検査は、乳房にプローベをあてて乳腺内を観察する検査です
乳腺密度の高い乳房でも乳腺内の観察が可能で被爆のないこと、痛みのないことが利点です
超音波による乳がん検診
実施日時 : 月、木 14:45 15:45
料金 : ¥5,000
女性スタッフが超音波検査を担当します
結果は後日郵送でご報告となります
検診はご予約制となります
webでご予約ください
茨城県子宮がん検診
当院は、茨城県の子宮がん検診登録医療機関および登録精密検査医療機関です
受診される方は、市町村で発行される受診券をお持ちください
異常を指摘された方は精密検査検査用紙をお持ちの上ご受診してください
検診は予約制です
子宮がん検診とは?
細胞診検査で異常な細胞が有るか無いかを検査します。
子宮頚部に発生するがんを発見する子宮頚がん検診と子宮体部に発生するがんを発見する子宮体がん検診があります。
子宮がん検診の目的は?
がんの早期発見により死亡率を減少させることと、前がん状態を発見してがんを予防することです。
子宮頚がんは早期に発見されれば子宮摘出を避けることも可能なので、妊娠を望む女性のQOL維持という効果があります。
子宮頚がんは早期のうちは無症状ですから、症状の無い時から検診を受けることが大切です。
子宮体がんは、早期から不正出血があります。ホルモン異常と自己診断せず、検査を受けて病変の有無を確認することが大切です。